嘘つきは恋の始まり!?



伊織くんは
腰に巻いていたパーカー
(校則違反)を私の肩にかけ

それから台所に入って
冷蔵庫を開けた。


「朝ごはんあるじゃん」

「食べる気力なくて」

「…おかゆ、作ってやるよ」


私は驚いて、
伊織くんを見つめた。

伊織くんが…おかゆを?

意外だと思った。

伊織くんは見かけや話し方が
ちょっとチャラくて
人のために料理するのとか

そもそも料理するって
イメージさえない。


「…あ、ありがと」

「その前に、ちょっと
トイレ借りるな」


伊織くんは言い残し
トイレの方へ駈け込んだ。

家に伊織くんがいる。
カレシ(偽)がいる。

…なんか、夢みたい。
変な感じ。

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