嘘つきは恋の始まり!?
伊織くんは大きく頷いて
「話してくれてありがとな」
と言うと立ち上がった。
そして、私の脇に腕を通す。
「ベッドまで運ぶよ」
「い、いいよ、自分で歩けるし」
「美桜をベッドに運んで
食器洗ったら帰るから」
私の言葉は聞かず、伊織くんはそう言うと
私を抱えて歩き出す。
その時、伊織くんのシャツの裾に
赤いシミがあるのに気づいた。
「伊織くん、裾にケチャップ
ついてるよ」
「え?…あぁ、これ
今朝飲んだトマトジュースだな」
こぼしてたか。
と伊織くんが恥ずかしそうに笑った。