嘘つきは恋の始まり!?
【4】 鉢合わせ
「ごめんって」
翌日の昼休み、絢が顔の前で
手を合わせて頭を下げる。
「ビックリしたんだから。
伊織くんが家に来て」
「お見舞いに行きたいって
言うからさぁ…。
いいカレシだよね、黒瀬くん」
それは否定しないけど。
家に来て、おかゆ作ってくれて
食器洗ってから帰ったりなんかして。
それで好きじゃない私としか
付き合わないんだもん。
どうかしてると思う。
「今日は放課後デートでも
行って来たら?
お見舞いのお礼、みたいな」
「うん…。それが誘ったんだけど
用があるって断られちゃって」