皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
三年前、相次いで両親が亡くなってから、超さんを含めて近所の人たちが私を家族のように見守って育ててくれた。
困っていることは手を貸してくれたし、お金がなくて畑の野菜も尽きたときは、食べ物も分けてくれた。
超さんがその野菜で料理をする私を見て、料理でお金を稼いだらどうかと勧めてくれて今がある。
だから無償で引き受けたいところだが、それでは私の生活が立ち行かなくて返って迷惑をかけることになるので、最低限の対価はいただくことにしている。
超さんの家のあとは、私も自分の小さな畑に行くことにした。
ここでは様々な野菜を育てている。
といっても、売るために育てている人たちとは違い自分用なので小規模だ。
畑まで行くと、少し離れたところに立派な建物が見える。
あそこは栄元帝が作らせた離宮で、静養のために使うということだったが、結局使われたことがない。