お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
第一章 規格外の派遣社員
あと十センチ……ううん、五センチなのに……。
私はスチールラックの一番上に積まれている段ボールを振り仰ぎながら、頭上にひらひらと手を伸ばした。
私の爪の先が軽く触れる高さ。ちょっと背の高い女性や、平均身長くらいの男性であれば優に届いてしまうのだろうけれど。
仕方がない。どんなに嘆こうにも、私が女の子であって身長一五五センチであることには変わりないのだから。
短く息をついて気持ちを切り替えると、こうなると予測してあらかじめ持ってきておいたパソコンチェアをお目当ての段ボールの下に置いた。
靴を脱いで足を乗せると、その瞬間チェアがギッと軋む。
タイヤがついているため、踏み台にするには少々心元ないけれど、落ちないように細心の注意を払いながら両足を乗せて踏みしめた。
「よっ……こら……しょ……」
グラグラ揺れるチェアを均すため、ついオバサンくさいかけ声を漏らしてしまったが、私、立花澪(たちばなみお)はれっきとした二十七歳だ。
私はスチールラックの一番上に積まれている段ボールを振り仰ぎながら、頭上にひらひらと手を伸ばした。
私の爪の先が軽く触れる高さ。ちょっと背の高い女性や、平均身長くらいの男性であれば優に届いてしまうのだろうけれど。
仕方がない。どんなに嘆こうにも、私が女の子であって身長一五五センチであることには変わりないのだから。
短く息をついて気持ちを切り替えると、こうなると予測してあらかじめ持ってきておいたパソコンチェアをお目当ての段ボールの下に置いた。
靴を脱いで足を乗せると、その瞬間チェアがギッと軋む。
タイヤがついているため、踏み台にするには少々心元ないけれど、落ちないように細心の注意を払いながら両足を乗せて踏みしめた。
「よっ……こら……しょ……」
グラグラ揺れるチェアを均すため、ついオバサンくさいかけ声を漏らしてしまったが、私、立花澪(たちばなみお)はれっきとした二十七歳だ。