お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
彼の女性関係についても、謎めいている。

こんなに格好いいのだから、彼女のひとりやふたり(?)いそうなものだが、本人曰く、ここ数年彼女がいないらしい。

その噂はすでに社内中に広がっており、それを聞いた女性社員は、信じている人が半分、信じたい人が半分。

そんなやりとりを交わしている間に、総務部へ到着した。

辿り着いた途端、穂積さんの姿を目にした新人の上村さんが、わっと瞳を輝かせた。

「穂積さん、帰社されてたんですね。お疲れさまです!」

「お疲れさまです。歓迎してもらってせっかくだけど、これからまた外出なんだ。あとでお土産買ってくるね」

「わぁ! うれしい!」

キラキラと笑うピュアフレッシュな新人を、私も穂積さんもほっこりと見つめる。

そして、やっぱりこんな女の子相手に段ボールを持って来いだなんて命令出来ないよね、と再確認して、次も自分で持って来ようと心の中で決意する。

すると、段ボールを総務部の脇に置いた穂積さんが、私の肩に手をかけた。
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