お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
テラス席は、十一月の風がちょっぴり肌寒いけれど、今日はちょうど陽が出ていてポカポカと温かいし、お店のブランケットを借りたら寒さも気にならなくなった。
「ああ。ビール飲みたいな」
そんなことをこぼしながらも、彼はノンアルコールで我慢する。
確かに、このお肉にビールがあったら最高だ。
私も飲みたいけれど、このあと車の運転を控えている彼に気を遣って一緒に我慢だ。
「私だって耐えてるんですから、文句言っちゃダメです」
「失敗したな。運転手を呼ぼうか」
「そういう考え、嫌いです。じゃあ、次に来るときは電車にしましょう」
「……次も一緒に来てくれるの?」
むぐっ、とお肉を喉につっかえて、慌ててグレープフルーツジュースで流し込んだ。
彼とは、『デート一回』という約束だった。これじゃあ、早々に私が白旗を上げたようなもので。
「つ、次はひとりで来ちゃおうかなっ!」
「ひとりでバーベキュー? すごく寂しいと思うよ」
「じゃ、じゃあ、上村さんを連れてきます! それから、雉名さんとか……!」
「雉名?」
びっくりして、彼が目を丸くする。私も、ついつい出してしまった名前に、思わず「あ」とつぶやいた。
「ああ。ビール飲みたいな」
そんなことをこぼしながらも、彼はノンアルコールで我慢する。
確かに、このお肉にビールがあったら最高だ。
私も飲みたいけれど、このあと車の運転を控えている彼に気を遣って一緒に我慢だ。
「私だって耐えてるんですから、文句言っちゃダメです」
「失敗したな。運転手を呼ぼうか」
「そういう考え、嫌いです。じゃあ、次に来るときは電車にしましょう」
「……次も一緒に来てくれるの?」
むぐっ、とお肉を喉につっかえて、慌ててグレープフルーツジュースで流し込んだ。
彼とは、『デート一回』という約束だった。これじゃあ、早々に私が白旗を上げたようなもので。
「つ、次はひとりで来ちゃおうかなっ!」
「ひとりでバーベキュー? すごく寂しいと思うよ」
「じゃ、じゃあ、上村さんを連れてきます! それから、雉名さんとか……!」
「雉名?」
びっくりして、彼が目を丸くする。私も、ついつい出してしまった名前に、思わず「あ」とつぶやいた。