お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「それ、どういうこと? 澪、雉名と仲よかったっけ?」

「え、えと、最近、ちょっと話すようになって」

「なにそれ。俺がいなくなった途端、雉名と親しくなったの?」

ずいずいっと彼が私に詰め寄って来た。なにその反応。真顔で怖いんですけど。

「……その、資材置き場で……椅子の上から落ちるところを、雉名さんに見つかって」

「また落ちたの!?」

「だ、大丈夫です。雉名さんがちゃんと受け止めてくれましたから」

「雉名、澪に触れたの?」

彼の声はあきらかに不機嫌で目は完全に据わっていた。

触れるっていったって、支えてもらっただけなのに。雉名さんが私に触れることが、そんなに嫌なのだろうか?

「で、でも、柊一朗さんがいないから、他に頼れる人もいなくて」

「だからって、どうしてよりにもよって雉名なの」

「……その……俺を呼べって……言われたので」

私の返答に、彼は呆れたように大きなため息をついて、額に手を当てた。
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