お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
のんびりと昼食を楽しんだ後、私たちは再び車に乗り込んだ。
「今度はどこへ行くんですか?」
「水族館」
「えっ?」
ぎょっと運転席の彼を覗き込む。混雑が嫌だという理由でもみじ狩りを断念したのに、もっと混雑していそうな水族館に行くの?
「大丈夫ですか? 休日の水族館こそ、混雑率百二十パーセントかと思いますけど」
「大丈夫。そこはちゃんと、権力を使わせてもらったから」
「権力……?」
彼の意味深な笑みに嫌な予感がした。もしかして、また途方もないセレブデートを提案してくるんじゃ……。
おっかなびっくり様子をうかがいながらも、辿りついた先は繁華街のど真ん中、巨大高層ビルのフロア五階分を使って建設中の水族館だった。
オープンは一週間後で、まだ客は誰もいない。ビルの入り口にある券売所もロープが張られており、いざフロアに辿り着けば、一般客が入れないようにパネルで仕切られている。
「今度はどこへ行くんですか?」
「水族館」
「えっ?」
ぎょっと運転席の彼を覗き込む。混雑が嫌だという理由でもみじ狩りを断念したのに、もっと混雑していそうな水族館に行くの?
「大丈夫ですか? 休日の水族館こそ、混雑率百二十パーセントかと思いますけど」
「大丈夫。そこはちゃんと、権力を使わせてもらったから」
「権力……?」
彼の意味深な笑みに嫌な予感がした。もしかして、また途方もないセレブデートを提案してくるんじゃ……。
おっかなびっくり様子をうかがいながらも、辿りついた先は繁華街のど真ん中、巨大高層ビルのフロア五階分を使って建設中の水族館だった。
オープンは一週間後で、まだ客は誰もいない。ビルの入り口にある券売所もロープが張られており、いざフロアに辿り着けば、一般客が入れないようにパネルで仕切られている。