お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「十八時から奥の会場でイルカのナイトパフォーマンスの通しリハーサルを行いますので、よろしければぜひ」
「ありがとうございます」
軽く一礼して男性が去っていく。脇にあるスタッフルームと書かれた扉の中へ入っていった。
「柊一朗さん……これは」
「うちの会社がこの水族館のスポンサーをやっているんだ。もうほぼ完成しているらしいから、進捗の確認と称して見学させてもらおうと思って」
柊一朗さんは辺りを見回して、ミッドナイトブルーに青白いLEDライトを埋め込んだ壁に手を触れた。
ふんわりと光を反射するその壁面素材は、一帯を淡く照らし出していて幻想的だ。その出来に満足したのかニッコリと笑う。
「もみじ狩りは無理だったけど、水族館なら貸切に出来るからね」
言うなり、彼は私の右手をとって、柔らかな光の通路を歩き始めた。
「しゅ、柊一朗さ――」
突然手を握られたことに驚いて、彼を呼び止めるけれど。
「見て、かわいい魚」
「え? あ、本当ですね」
ライトアップされたカラフルな南国の魚たちと珊瑚に気をとられて、なにを言おうとしていたのかスコンと頭から抜けてしまった。
「ありがとうございます」
軽く一礼して男性が去っていく。脇にあるスタッフルームと書かれた扉の中へ入っていった。
「柊一朗さん……これは」
「うちの会社がこの水族館のスポンサーをやっているんだ。もうほぼ完成しているらしいから、進捗の確認と称して見学させてもらおうと思って」
柊一朗さんは辺りを見回して、ミッドナイトブルーに青白いLEDライトを埋め込んだ壁に手を触れた。
ふんわりと光を反射するその壁面素材は、一帯を淡く照らし出していて幻想的だ。その出来に満足したのかニッコリと笑う。
「もみじ狩りは無理だったけど、水族館なら貸切に出来るからね」
言うなり、彼は私の右手をとって、柔らかな光の通路を歩き始めた。
「しゅ、柊一朗さ――」
突然手を握られたことに驚いて、彼を呼び止めるけれど。
「見て、かわいい魚」
「え? あ、本当ですね」
ライトアップされたカラフルな南国の魚たちと珊瑚に気をとられて、なにを言おうとしていたのかスコンと頭から抜けてしまった。