お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
彼に関する噂は諸説流れていて、内容は耳を疑うものばかり。
「穂積さん、アメリカの一流大学を卒業して博士号を取得したらしいですよ」
「私は、仕事でヨーロッパ中を飛び回ってたって聞いた」
「アラブの石油王の右腕だったって話も聞きました」
「なんでもありだね」
噂話に尾ひれ羽ひれどころか、背びれも胸びれもくっついている状態だ。
「本当、王子様みたいな人ですよねー」
「……確かに、ミステリアスではあるよね」
そんなによく出来る人が、なぜこの弱小企業に派遣されてきたのか。まずそこが最大の謎だなぁと私は思っている。
とはいえ、契約期間は二カ月だ。あと半月足らずでこの会社を去ってしまう。
もちろん、こんなに優秀な人材をみすみす逃す手はない。
営業部は延長申請を出すつもりらしいのだが、すでに一度断られているそうで、望み薄らしい。
そりゃあ。あれだけ仕事が出来るなら、引く手あまただし、もっと規模が大きくてお給料のいい会社に就職した方がいいはず。
まぁ、大きくてお給料がいいからっていい会社とは限らないけれど、と心の中でそっとつけ足す。
「穂積さん、アメリカの一流大学を卒業して博士号を取得したらしいですよ」
「私は、仕事でヨーロッパ中を飛び回ってたって聞いた」
「アラブの石油王の右腕だったって話も聞きました」
「なんでもありだね」
噂話に尾ひれ羽ひれどころか、背びれも胸びれもくっついている状態だ。
「本当、王子様みたいな人ですよねー」
「……確かに、ミステリアスではあるよね」
そんなによく出来る人が、なぜこの弱小企業に派遣されてきたのか。まずそこが最大の謎だなぁと私は思っている。
とはいえ、契約期間は二カ月だ。あと半月足らずでこの会社を去ってしまう。
もちろん、こんなに優秀な人材をみすみす逃す手はない。
営業部は延長申請を出すつもりらしいのだが、すでに一度断られているそうで、望み薄らしい。
そりゃあ。あれだけ仕事が出来るなら、引く手あまただし、もっと規模が大きくてお給料のいい会社に就職した方がいいはず。
まぁ、大きくてお給料がいいからっていい会社とは限らないけれど、と心の中でそっとつけ足す。