お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「澪? どうしたんだ? お茶淹れようか?」
「遅くなっちゃったから、先にお風呂入るね」
「ああ、そうしなさい」
自室に滑り込みドアを閉め、いつもはかけない鍵をかけ、その場にぺしゃっとへたり込んだ。
ドクドクと鼓動が鳴りやまない。私を求める彼の顔が頭から離れなくて。
――『早く澪を、俺のものにしたい』――
彼の言葉が頭の中でリフレインして、どんどん顔が火照っていく。
恥ずかしすぎて逃げ帰ってきてしまったけれど……。
「本気なの……?」
実際にそう問いかければ、きっと彼は二つ返事だっただろう。疑いたくなるほどに、彼は私に愛情を注いでくれる。それは今日一日一緒にいて、身に染みて理解した。
冷静になって考えてみれば、私は求婚されたのだ。
それも、あんなに甘いルックスをした、完全無欠の未来の社長さまから。
出会った当初、契約社員だった『穂積柊一』は、確かに見た目は抜きん出てよかったものの、それこそ、その辺にいる普通の男性となんら変わりないステータスの持ち主だった。
だからこそ、たいした抵抗もなく、素直に恋に落ちることが出来たのかもしれない。
けれど、今の彼、『千堂柊一朗』は、俗にいうところの御曹司―― 一般市民の私は、決して踏み込めない、雲の上にいる。
「遅くなっちゃったから、先にお風呂入るね」
「ああ、そうしなさい」
自室に滑り込みドアを閉め、いつもはかけない鍵をかけ、その場にぺしゃっとへたり込んだ。
ドクドクと鼓動が鳴りやまない。私を求める彼の顔が頭から離れなくて。
――『早く澪を、俺のものにしたい』――
彼の言葉が頭の中でリフレインして、どんどん顔が火照っていく。
恥ずかしすぎて逃げ帰ってきてしまったけれど……。
「本気なの……?」
実際にそう問いかければ、きっと彼は二つ返事だっただろう。疑いたくなるほどに、彼は私に愛情を注いでくれる。それは今日一日一緒にいて、身に染みて理解した。
冷静になって考えてみれば、私は求婚されたのだ。
それも、あんなに甘いルックスをした、完全無欠の未来の社長さまから。
出会った当初、契約社員だった『穂積柊一』は、確かに見た目は抜きん出てよかったものの、それこそ、その辺にいる普通の男性となんら変わりないステータスの持ち主だった。
だからこそ、たいした抵抗もなく、素直に恋に落ちることが出来たのかもしれない。
けれど、今の彼、『千堂柊一朗』は、俗にいうところの御曹司―― 一般市民の私は、決して踏み込めない、雲の上にいる。