お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
ジェラートの入ったビニール袋を受けとった上村さんは、袋を覗き込みながら、「これだけあれば女の子全員食べられそうですね」と声を躍らせる。
ちなみに、従業員数は百人近くいるこの会社だが、実際に本社で働いているのはその三分の二。
残りは客先に常駐しているし、そもそも女性の割合が低いため、二十個で充分こと足りる。
「穂積さんは食べなくていいんですか?」
「俺は現地で食べてきたから大丈夫。みんなで分けて。立花さんがすごぉく食べたそうにしてたから、余ったら彼女にあげて」
「そ、そんな顔してませんってば!」
私の反論は聞かない振りで、穂積さんはひらひらと手を振り総務部を出ていく。
上村さんはさっそく周りにジェラートを配り始めた。
「立花さんは総務権限で一番最初に選んでいいですよ! 何味にします?」
私の前にビニール袋を広げて、バニラ、コーヒー、チョコミント、ほうじ茶――とフレーバーを読み上げる。
「じゃあ……シナモンアップル」
だって、さっき廊下で彼が『すごーくおいしい』なんて言ってたから。
ちなみに、従業員数は百人近くいるこの会社だが、実際に本社で働いているのはその三分の二。
残りは客先に常駐しているし、そもそも女性の割合が低いため、二十個で充分こと足りる。
「穂積さんは食べなくていいんですか?」
「俺は現地で食べてきたから大丈夫。みんなで分けて。立花さんがすごぉく食べたそうにしてたから、余ったら彼女にあげて」
「そ、そんな顔してませんってば!」
私の反論は聞かない振りで、穂積さんはひらひらと手を振り総務部を出ていく。
上村さんはさっそく周りにジェラートを配り始めた。
「立花さんは総務権限で一番最初に選んでいいですよ! 何味にします?」
私の前にビニール袋を広げて、バニラ、コーヒー、チョコミント、ほうじ茶――とフレーバーを読み上げる。
「じゃあ……シナモンアップル」
だって、さっき廊下で彼が『すごーくおいしい』なんて言ってたから。