お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「場を和ませようとしたんじゃないですか」
苦し紛れにそんなことを言ってごまかすと、彼は肩を落として嘆息した。
「気遣いとか、いらないって言っとけ」
うう~ん、そういう意味じゃないんだけどな。愛想笑いが凍りつく。
エレベーターがやってきたが、帰宅ラッシュに出くわしてしまったようで、中はすでに満員だ。仕方なく身を引いて、次の一台を待つ。
その間、沈黙しているのもなにかなと思い、「最近寒くなりましたね」そんな世間話を振ろうとしたけれど、今しがた『気遣いとか、いらない』と言われたことを思い出して、余計なことは言わない方がいいのかな? と悩み始める。
もやもやと考えている間に、彼の方が先に切り出した。
「で。お見合いのやつとはどうなんだ?」
「……その話題、まだ引きずりますか?」
あっけにとられる私に、彼はククッと笑う。
「見合いって、赤の他人とやるわけだろ? そうまでして結婚したいのか?」
ものすごく不躾な質問だけれど、どうやら罵られているわけではなく、純粋に興味があるようだ。いつもより瞳を輝かせて私の回答を待っている。
苦し紛れにそんなことを言ってごまかすと、彼は肩を落として嘆息した。
「気遣いとか、いらないって言っとけ」
うう~ん、そういう意味じゃないんだけどな。愛想笑いが凍りつく。
エレベーターがやってきたが、帰宅ラッシュに出くわしてしまったようで、中はすでに満員だ。仕方なく身を引いて、次の一台を待つ。
その間、沈黙しているのもなにかなと思い、「最近寒くなりましたね」そんな世間話を振ろうとしたけれど、今しがた『気遣いとか、いらない』と言われたことを思い出して、余計なことは言わない方がいいのかな? と悩み始める。
もやもやと考えている間に、彼の方が先に切り出した。
「で。お見合いのやつとはどうなんだ?」
「……その話題、まだ引きずりますか?」
あっけにとられる私に、彼はククッと笑う。
「見合いって、赤の他人とやるわけだろ? そうまでして結婚したいのか?」
ものすごく不躾な質問だけれど、どうやら罵られているわけではなく、純粋に興味があるようだ。いつもより瞳を輝かせて私の回答を待っている。