お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「柊一朗さんが、好き」

声にするとともに、瞳に涙が滲んだ。私の掠れた声を耳にして、彼はやっと顔を上げて、私の目を見つめてくれた。

「……この二週間、少しでも俺のこと思い出してくれた?」

「……毎日。一日中」

大きく頷くと、睫毛にしがみついていた涙がポロポロとこぼれ落ちてきた。

みっともなく歪んだ泣き顔で、耳まで真っ赤になりながら、それでも体は素直に彼へ抱きついていた。

「本当は、すごく……すごく会いたかった……!」

「澪……」

弾かれたように、彼が私の体を抱きとめてくれる。

最初から素直に、そう言えばよかったんだ。

大好きだと、ずっと忘れられずに想い続けていたのだと、言ってしまえば回り道しなくて済んだのに。

私はこのまま、ずっと彼に抱きしめられていたい。

「もう離れたくない……」

首筋に腕を絡めて告白すると、彼が耳元でフッと小さく吐息をこぼした。

「もう離さない。ずっとそばにいるよ」

彼が私の頬を両手で包み込む。うっとりと目を閉じて、その熱量を確かめた。彼は、私をこんなにも愛してくれているんだ。
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