お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「これ以上、みなさんのお時間を割くのは無駄以外のなにものでもない。後は私が引き受けます」
そう言い放ち前へ進み出ると、わずかに周囲がざわついた。
「あいつは誰だ」「社長の息子の」「ああ、まったく面倒な」彼女に向けていた牙をこちらに向けて、俺の耳にまで届く声で堂々と文句を垂らす。
俺が社長になる頃には、自分は退職しているとでも思っているのだろう。
残念ながら、父は早期に代替わりする意向を示しているし、彼らが役職を追えるまでには、社長に就任してしまいそうだが。
いつまでも、のうのうと権力に胡坐をかかせてやるつもりなどない。
必ず、粛清する。この時代錯誤なヒエラルキーを。俺の代で、壊してみせる。
そう強く決意した一件だった。
彼女の腕を引き、「こちらへ」そう促すと、わずかに不満そうな顔で俺についてきた。
彼女は終始黙り込み、突然割り込んできたこの男はいったい誰だろうと警戒しているようだ。
あるいは、次はどんな仕打ちをされるのかと怯えているのかもしれないが、そんな弱気な素振りは微塵も見せず、厳しく唇を引き結んでいる。
そう言い放ち前へ進み出ると、わずかに周囲がざわついた。
「あいつは誰だ」「社長の息子の」「ああ、まったく面倒な」彼女に向けていた牙をこちらに向けて、俺の耳にまで届く声で堂々と文句を垂らす。
俺が社長になる頃には、自分は退職しているとでも思っているのだろう。
残念ながら、父は早期に代替わりする意向を示しているし、彼らが役職を追えるまでには、社長に就任してしまいそうだが。
いつまでも、のうのうと権力に胡坐をかかせてやるつもりなどない。
必ず、粛清する。この時代錯誤なヒエラルキーを。俺の代で、壊してみせる。
そう強く決意した一件だった。
彼女の腕を引き、「こちらへ」そう促すと、わずかに不満そうな顔で俺についてきた。
彼女は終始黙り込み、突然割り込んできたこの男はいったい誰だろうと警戒しているようだ。
あるいは、次はどんな仕打ちをされるのかと怯えているのかもしれないが、そんな弱気な素振りは微塵も見せず、厳しく唇を引き結んでいる。