お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~

「起きられる?」

調子に乗って彼女の体を酷使しすぎてしまったかもしれない。

疲れてぐったりした様子の彼女は、ベッドに体を沈めながら、ふるふると首を横に振った。

「もう少し、休ませてください……」

「ごめん。無理させすぎた」

がっついてしまった自分の大人げなさを素直に反省していると、彼女は未だ潤んだ瞳で「そんなことない」とか細く漏らした。

「私も……うれしかったから」

疲弊した顔でそんなことを言われると、今以上に彼女を抱き潰してしまいたくなる。

貪りたい欲求を押さえるように彼女の体をぎゅっと抱きしめると、「う、重い」と俺の下で苦しそうに呻いた。

「今日の澪は、異常に素直だ。なんだか信じられない」

「……だって、心配だったんでしょう? 私がちゃんと素直に言葉にしないから」

どうやら彼女なりに反省しているらしく、殊勝な言葉が飛び出す。

「みっともなく嫉妬して悪かったよ。いつもの澪でいい」

「……でも、素直になったら、なんだか楽になれたの。本当は私も甘えたかったのかもしれない……」

思わず目を丸くする。今日の彼女は本当にどうしたことだろう。言葉を失ってしまった。
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