お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
どうしてあんなにも、嫌がっていた結婚に積極的に……今日の彼女はやはりおかしい。
「……別に、柊一朗さんが、結婚とか……そこまで考えていないのであればいいのですが」
今度はしゅんと目を伏せていじけてしまった彼女に、俺は慌てて弁解する。
「考えているよ。言っただろ。澪と結婚したい。……だけど、いいのか? パーティーに出るってことは――」
かつて澪を傷つけた日千興産の上層部と顔を合わせることになってしまうかもしれない。
彼女も察しがついたらしく、ぐっと唇を閉じて押し黙った。
「……無理をする必要はないんだ。俺は澪を苦しめたいわけではないから」
彼女の隣に腰かけ、そっと肩を抱いた。なぜかわからないけれど、なにかを気負ってしまっている。
すると彼女は思い詰めたようにぽつりと漏らした。
「私、柊一朗さんのことが、よくわからないんです」
え? と目を丸くする。こんなにもストレートに愛情表現しているというのに、俺のなにがわからないのだろう。
「隠していることは、もうないけれど?」
「柊一朗さんは、私とは別世界の人でしょう? いったいどうやって付き合ったらいいのか、本当に私が釣り合うのか、よくわからなくて」
「……別に、柊一朗さんが、結婚とか……そこまで考えていないのであればいいのですが」
今度はしゅんと目を伏せていじけてしまった彼女に、俺は慌てて弁解する。
「考えているよ。言っただろ。澪と結婚したい。……だけど、いいのか? パーティーに出るってことは――」
かつて澪を傷つけた日千興産の上層部と顔を合わせることになってしまうかもしれない。
彼女も察しがついたらしく、ぐっと唇を閉じて押し黙った。
「……無理をする必要はないんだ。俺は澪を苦しめたいわけではないから」
彼女の隣に腰かけ、そっと肩を抱いた。なぜかわからないけれど、なにかを気負ってしまっている。
すると彼女は思い詰めたようにぽつりと漏らした。
「私、柊一朗さんのことが、よくわからないんです」
え? と目を丸くする。こんなにもストレートに愛情表現しているというのに、俺のなにがわからないのだろう。
「隠していることは、もうないけれど?」
「柊一朗さんは、私とは別世界の人でしょう? いったいどうやって付き合ったらいいのか、本当に私が釣り合うのか、よくわからなくて」