お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
段ボールへと手を伸ばし試しに持ち上げてみると、想像以上の重量。

「う、結構重いかも……」

一瞬、男性社員にお願いしようかという考えもよぎったけれど、ギリギリ持てそうと判断した私は、自力で頑張ることにした。

「えいっ……と、と、きゃあ!」

が、三秒後には後悔した。段ボールを持ち上げる前に、足の踏ん張りに耐え切れずチェアのタイヤが滑ってしまったのだ。

私の体を置き去りにして、チェアだけ横に移動してしまい、足が浮き上がる。

段ボールが落ちてこなかったのが不幸中の幸いだけれど、宙に投げ出された私の体は背中から地面に真っ逆さま。

――と、思いきや。

「――っぅ!!」

堅く目をつむり衝撃に耐えようと身構えた私だったが、なにかに全身を包み込まれて痛みを免れた。

代わりに聞こえてきたのは、誰かの呻き声。

……なにが起きたの?
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