お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
第二章 キスひとつで陥落
翌週の金曜日。
梅雨の真っ只中である今日、空はいつ雨が降り出してもおかしくないほどの厚い雲に覆われていた。
天気予報によると、降り出すのは夜半すぎだそうだ。
夕方四時現在、まだ雨は降っていないけれど、今にも降り出しそうで、この先は折り畳み傘がないと危険だろう。
「立花さん、悪いんだけれど、例の書類が出来たから届けてもらってもいいかな?」
そう依頼してきたのは、開発部の部長だ。
総務の仕事は、いってしまえばなんでも屋。お使いや配達も頼まれれば快く引き受ける。
私としては、どちらかというと、デスクワークよりそちらの方が気楽だったりする。気分転換にもなるし。
「これをクライアントの会社まで届ければいいんですね」
「現地に直行している社員を十七時にビルの入口へ向かわせるから。渡してやって」
「わかりました」
余裕をもって片道四十五分ってところだろうか。これから出ればちょうどいい頃合いに着く。
私はデスクトップパソコンをシャットダウンし、出かける準備を始めた。
梅雨の真っ只中である今日、空はいつ雨が降り出してもおかしくないほどの厚い雲に覆われていた。
天気予報によると、降り出すのは夜半すぎだそうだ。
夕方四時現在、まだ雨は降っていないけれど、今にも降り出しそうで、この先は折り畳み傘がないと危険だろう。
「立花さん、悪いんだけれど、例の書類が出来たから届けてもらってもいいかな?」
そう依頼してきたのは、開発部の部長だ。
総務の仕事は、いってしまえばなんでも屋。お使いや配達も頼まれれば快く引き受ける。
私としては、どちらかというと、デスクワークよりそちらの方が気楽だったりする。気分転換にもなるし。
「これをクライアントの会社まで届ければいいんですね」
「現地に直行している社員を十七時にビルの入口へ向かわせるから。渡してやって」
「わかりました」
余裕をもって片道四十五分ってところだろうか。これから出ればちょうどいい頃合いに着く。
私はデスクトップパソコンをシャットダウンし、出かける準備を始めた。