お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
第十二章 甘やかしてあげたい
ワンピースに着替えてリビングに戻ると、バトラーがテーブルにピンと糊の利いた真っ白なクロスを敷いていた。
その上に、見るからに高級そうな食器やグラスがセッティングされていく。
夜の九時、ちょっぴり遅い時間になってしまったけれど、夜景の臨める上質なスイートルームでフレンチのフルコース。
ルームサービスといっても、同ホテル内の高級フランス料理店のシェフ自ら腕を振るってくれたフレンチだ。確かにこれを食すなら、綺麗なワンピースは必須だと思った。
彼も、スーツのジャケットこそ脱いだものの、まだ光沢のあるベストを羽織り、タイもそのままだ。
「すごく豪華ですね……」
「澪が頑張ってくれたご褒美だ。疲れただろう」
「……柊一朗さんも」
「ん?」
柊一朗さんはなんのことかわからないといった顔で首を傾げる。彼にしてみたらパーティーは日常の範疇で、たいして頑張ったわけではないのかもしれないが。
「……柊一朗さんも、立派にお勤め、お疲れさまでした」
私の言葉に彼はふんわりと頬を緩める。
その上に、見るからに高級そうな食器やグラスがセッティングされていく。
夜の九時、ちょっぴり遅い時間になってしまったけれど、夜景の臨める上質なスイートルームでフレンチのフルコース。
ルームサービスといっても、同ホテル内の高級フランス料理店のシェフ自ら腕を振るってくれたフレンチだ。確かにこれを食すなら、綺麗なワンピースは必須だと思った。
彼も、スーツのジャケットこそ脱いだものの、まだ光沢のあるベストを羽織り、タイもそのままだ。
「すごく豪華ですね……」
「澪が頑張ってくれたご褒美だ。疲れただろう」
「……柊一朗さんも」
「ん?」
柊一朗さんはなんのことかわからないといった顔で首を傾げる。彼にしてみたらパーティーは日常の範疇で、たいして頑張ったわけではないのかもしれないが。
「……柊一朗さんも、立派にお勤め、お疲れさまでした」
私の言葉に彼はふんわりと頬を緩める。