お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「それで?」

「……柊一朗さんは、プライドが高くて強がりで、お父さまにそっくりだって」

「随分な言われようじゃないか」

気にくわなかったのだろうか、お仕置きのように首筋に歯を立て、白い肌に犬歯を食い込ませる。

「きゃっっ……」

一緒にざらりと肌を掠めたのは、彼の舌? 思わずぞくり震え上がって、ソファのクッションへ倒れ込む。

「それで? 澪は、プライドが高くて強がりな俺を、どう調理してくれるんだ?」

私の上に影を落としながら、柊一朗さんは不敵に微笑む。次はどんなお仕置きを与えてやろうかと、胸を昂らせている顔だ。

「……お願いされて」

「お願い?」

「ちゃんと柊一朗さんを、甘やかしてあげてほしいって」

彼の頬に手を伸ばしそっと引き寄せ、自分の胸に押し込めるように抱きしめた。

ひと撫で、ふた撫でと彼の髪に指を滑らせ、お母さまに言われた通り、たっぷりと撫で、甘やかしてあげる。

「……随分と、刺激的な甘やかし方だな」

「……嫌、ですか?」

「まさか。ただ、歯止めが効かなくなってしまったらごめん」
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