お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「どうしてあんなに食べたのに、柊一朗さんのお腹は出ないんですか?」

「腹筋が押さえてくれてるんじゃない?」

「……どうせ私はぷにぷにですよ」

「ぷにぷには女性の特権だろう?」

彼は開き直ったように私の全身をつまむ。存分にぷにぷにされて抵抗する気力も失った。

「だいたい、初めてじゃないんだから、恥ずかしくもないだろう?」

「は、恥ずかしいです! 柊一朗さんは女性の気持ちを全然わかってない!」

「澪こそ、男性の気持ちを全然わかってないよ。目の前においしそうなご馳走があるのに、お預けを食らわされる身にもなってくれ」

私の肩にカプリとかじりついて、ぎゅっと首筋に手を回す。

「やっ……かまないで……」

身を縮こめて逃げ出そうとした私の腰に手を回し、まるで覆いかぶさるように抱き竦めた。

「もう! お母さまの嘘つき!」

突然叫んだ私に、彼はびくりとして目を見張る。
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