お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「澪。俺を甘やかしてくれる?」

甘ったるい声を耳のすぐ横で漏らしながら、ついでに私の耳朶を食む。

「うっ」と悶える私を確かめながら、彼は嬉々として私に興奮をもたらしていく。

「そんなに身を固くしていたら、甘えられないよ」

「無……理……余裕、ない……」

「初めてのときもそうだったね。澪は俺の腕の中で震えてた。怖い?」

ちょっぴり悲しい顔をした彼に、私はぶんぶんと大きく首を横に振る。怖いんじゃない。緊張しているだけで。

ただ、喋ることも出来ないくらい呼吸が乱れていて、体中が熱い。

「怖く、ない、柊一朗さんが……好き……」

「……そんなこと言われると、こっちまで余裕なくなるよ」

軽く唇に口づけて、私の表情をじっと見つめたまま、彼は指先を腰へと這わせた。

「っあ……」

その途端、びくんと喉を喘がせた私を見つめて、満足そうに彼は微笑む。

「なら、俺が澪を甘やかしてあげるよ。ほら、俺にかわいい顔をみせて。もっと」

どんどん刺激を強くしていく彼に、私は息を絶え絶えにしながら「違うの……!」と叫ぶ。
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