お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
甘やかしてもらいたいんじゃない。私が甘やかしてあげたいんだ。

彼にかなわなくて、私はいつもベッドの上で体をくねらせるだけ。

私が癒してあげたいの。私が喜ばせてあげたい、なのに。

どうしたらいいのかも、よくわからない……。

柊一朗さんの両頬を包み引っ張って、真っ直ぐ私の顔の前に持ってくると、彼は少しだけ驚いて、私の体で遊ぶ手を止めた。

「澪……?」

「目を閉じて。私が、気持ちよくしてあげる」

そう答えて、彼の唇を引き寄せる。

懸命に舌を伸ばして彼の唇の隙間に押し込み、内側をくすぐると、彼は「んっ」と気持ちよさそうに吐息を漏らして、目を閉じた。

私の上に、力を失い倒れ込む。私の体を潰してはいけないと思ったのだろう、横にゴロンと転がって、その上を追いかけるように私が重なって。

気がつけば、私の方が彼の上に跨っていた。

彼は驚いて、まいったようにクスリと笑みをこぼす。

「……まったく。澪は……」

くいっと私の顎を引き寄せ、今度の口づけは彼の方から。

呼吸の合間に唇を離して、次の口づけは私から。

幾度も重ねては、お互いの意思を、愛を確認するように繰り返す。
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