お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「……俺のわがまま、聞いてくれるか?」

私の頬に指を滑らせて、掠れた声でささやく。

「俺を……愛してくれ」

切ない眼差しでねだられて、私はコクリと頷いた。

「愛してます……柊一朗さん」

彼の頬に唇を添わせて、耳元にそっと愛の言葉を流し込む。

「どんなわがままも、私が許してあげますから……」

ささやき終えた途端、今度は彼が私の後頭部に手を回し引き寄せ、唇を熱く食んだ。

ひとつ息をつく間に、体が横向きに転がされて、今度は私が組み敷かれる。

かろうじて保っていたわずかな理性すらどこかへ吹き飛んで、彼は私の体に貪りつく。

それこそ、言葉では表現しきれないようなとんでもない愛情表現で、私の体に刻みつけていく。

奥の、ずっと奥深くまで。

「柊一朗……さん……」

「澪……!」

これは三度目の夜。けれど、一度目や二度目のときとは全然違う。

お互いの気持ちを試すように、重厚に、濃密に、私たちは夜が更けるまで、幾度となく体を擦り合わせた。
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