お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「悪いのはあんたじゃなくて、セクハラしたアホみたいなやつと、それを庇った腹黒い役員たちだろ。だいたい、千堂の家の人たちも、誰もあんたに文句なんか言わないんだろ?」
「それが、逆に苦しくて。罪悪感を感じてしまって」
「無事、千堂は社長に就任できるんだから、素直に喜んでやればいい。それとも、そんなにうしろめたいなら、やっぱり俺のところに来るか?」
驚いて見上げれば、雉名さんは本気ともつかない顔で私のことをじっと見つめていて。
「……その冗談やめてくださいよ。もう騙されませんからね」
持たされている雉名さんのジャケットをキュッと抱きしめ、不満に頬を膨らませる。
雉名さんは段ボールの上の埃を吹き飛ばして、盛大にため息をついた。
「本当に鈍――」
「それより、雉名さんの方こそどうなんですか、お見合いさせられちゃうんでしょう!?」
「ん? ああ……」
意外に良家のご子息だった雉名さんは、ご両親にお見合いの話をもちかけられているらしい。
だから私が『お見合い』って単語を口にしたとき、妙に興味津々だったんだ。
「それが、逆に苦しくて。罪悪感を感じてしまって」
「無事、千堂は社長に就任できるんだから、素直に喜んでやればいい。それとも、そんなにうしろめたいなら、やっぱり俺のところに来るか?」
驚いて見上げれば、雉名さんは本気ともつかない顔で私のことをじっと見つめていて。
「……その冗談やめてくださいよ。もう騙されませんからね」
持たされている雉名さんのジャケットをキュッと抱きしめ、不満に頬を膨らませる。
雉名さんは段ボールの上の埃を吹き飛ばして、盛大にため息をついた。
「本当に鈍――」
「それより、雉名さんの方こそどうなんですか、お見合いさせられちゃうんでしょう!?」
「ん? ああ……」
意外に良家のご子息だった雉名さんは、ご両親にお見合いの話をもちかけられているらしい。
だから私が『お見合い』って単語を口にしたとき、妙に興味津々だったんだ。