お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「ほら。番号」
そう言って付箋を上村さんのおでこに貼っつける。
それは内線番号ではなく、携帯電話の番号。
付箋を手にした上村さんが、その文字を見て、ただでさえ睫毛が長く大きな瞳を、いっそう大きくして硬直した。
「先輩を労わってやれよ。そいつ、もうオバサンなんだから」
「なっ……失礼ですね!!」
ニッと不敵な笑みを浮かべて、彼はオフィスのドアを出ていく。
上村さんは慌てたように腰を浮かして、「雉名さん!」咄嗟に彼を呼び止めた。
雉名さんは足をとめ、気だるい表情で首だけこちらにちらりとよこす。
「あの……これ、仕事以外でも使っちゃダメですか……?」
電話番号の付箋をぷるぷる握りしめて、おっかなびっくり声をあげた上村さんを、雉名さんは無表情のまま一瞥して。
「好きにしろよ」
それだけ答えて、オフィスを出ていく。
上村さんはよっぽど衝撃だったらしく、雉名さんの出ていったドアをいつまでも眺めては呆然と立ち尽くしている。
そう言って付箋を上村さんのおでこに貼っつける。
それは内線番号ではなく、携帯電話の番号。
付箋を手にした上村さんが、その文字を見て、ただでさえ睫毛が長く大きな瞳を、いっそう大きくして硬直した。
「先輩を労わってやれよ。そいつ、もうオバサンなんだから」
「なっ……失礼ですね!!」
ニッと不敵な笑みを浮かべて、彼はオフィスのドアを出ていく。
上村さんは慌てたように腰を浮かして、「雉名さん!」咄嗟に彼を呼び止めた。
雉名さんは足をとめ、気だるい表情で首だけこちらにちらりとよこす。
「あの……これ、仕事以外でも使っちゃダメですか……?」
電話番号の付箋をぷるぷる握りしめて、おっかなびっくり声をあげた上村さんを、雉名さんは無表情のまま一瞥して。
「好きにしろよ」
それだけ答えて、オフィスを出ていく。
上村さんはよっぽど衝撃だったらしく、雉名さんの出ていったドアをいつまでも眺めては呆然と立ち尽くしている。