お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
私は安ものでもかまわないのだけれど、柊一朗さんに質の悪いものを使わせるわけにはいかない。

それなりのお値段で、かつそれに見合った上質な品を見つけることが今日の私の使命である。

柊一朗さんに心休まる空間を……と思ったのだが。

「……本当になんでもいいんですか?」

当の本人は、インテリアに無頓着な様子。うう~ん、模様替えデートじゃ楽しんでもらえないかなぁ?

「ピンクのレースや小花柄を敷き詰めるとか言わなければ、基本なんでもかまわないよ」

「さすがにそれはいいませんけど……ハワイアンテイストくらいは言い出すかもしれませんよ? 大きなハイビスカスの葉っぱを置いてみようとか」

「澪が四六時中ベリーダンスの格好をしてくれるなら、それでもいいよ」

ベリーダンスの格好って、へそ出しのアレ? 私はむぅっと頬を膨らます。

そんなことばかり言って、彼はあまり真剣に考える気がないみたい。本当に生活さえ出来ればいいと思っているらしい。

今の部屋だって、デザイナーさんに全部お任せしたって言ってたし。
< 285 / 294 >

この作品をシェア

pagetop