お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
結局、なんだかんだ言いながらも、柊一朗さんはあれがいいこれがいいと意見をくれて、存在感の強い赤のソファは、リビングの中央にアクセントとして置くことになった。

これをメインに、ウッド調の大型家具にファブリック素材の小物を加え、挿し色はレッドとアイボリーで統一。

もし結婚して子どもが産まれたら、もう少し柔らかい色合いのソファを買おうね、なんて話しながら、今現在、大人ふたりが暮らしていくにはぴったりな、モダンな家具を揃えることが出来た。



「両親は大喜びしています。娘が玉の輿に乗ったって」

「あはは」

柊一朗さんの家に戻ってきた私たちは、ふたり、キッチンに並んで夕食を作った。

彼は意外とお料理もするようで、私が慣れないキッチンに四苦八苦している間に、チャチャッと調理してくれた。

フライパンで茄子、パプリカをゴロゴロ炒めたあと、そのままトマトとハーブを入れて煮込み、その中に茹で上がったパスタを投入。

柊一朗さんがフライパンを振るう横で私は、レタスをざくざくちぎって、あらかじめ炒めておいたベーコンを載せてシーザーサラダを作った。
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