お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「あっ……うぅ……」

「ほら。そんなに強く引き結ばれちゃ、入んない」

彼が私の唇を指でそっと撫で、緊張を解きほぐす。口元を緩めると、その隙間に舌が容赦なく滑り込んできた。

「あぅ……穂積……さ……」

私の中で彼の舌が暴れ、敏感な部分を探している。

思わず吐息を漏らすと、彼はそこを重点的に舌先でくすぐりだした。

「や……だめ……んっ……もう……」

鼓動が速くなりすぎて、上手に呼吸ができない。膝の力が抜けそうで、くずおれる寸前だ。

きゅっと彼の胸元を掴んで、ギブアップを申し出る。

けれど、どうやら逆効果だったみたいだ。私が中途半端な抵抗をするたびに、煽られた彼は容赦をなくしていく。

「んんっ……ぷはぁっ」

耐え切れず思いっきり息を吸い込んだところで、彼は私の異変に気がついた。

「ん? 息止めてたの? ……もしかして、キス、初めて?」

そう心配そうに覗き込みながらも、決して合わさった唇は離してくれない。

「ち、ちがっ……ぅぅんっ……ちょ、ちょっと、久しぶりで……」

「落ち着いて。ほら、ちゃんと呼吸して」

「は、はぁ……」

「唇はそのまま、開けておいて」

「んむぅっ……」
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