お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「……続きは俺の家でいい?」

わけもわからぬまま、こくこくと頷くと、彼は私の腰を抱いて歩道の脇に立ち、タクシーを呼び停めた。

後部座席に並んで乗り込み、ドアが閉まった瞬間、肩を抱かれる。

むりやり顔を持ち上げれば、不敵な笑みを浮かべた彼と視線が合う。

真っ赤になっている顔を見られたくなくて、彼の胸に顔を埋めると、私の耳元に唇を近づけた彼が、小さな小さな声で「……かわいい」とささやいた。
< 47 / 294 >

この作品をシェア

pagetop