お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
第三章 甘い夜と本当の彼
タクシーの中で彼の胸に顔を埋め続けること十五分、辿り着いた先は高層マンションで、彼の部屋は三十階にあった。
「こ、こんな場所に住んでいるんですか?」
彼の部屋に足を踏み入れて、愕然とする。
まず、玄関がびっくりするほど広かった。
そして奥のリビングも。
部屋の中央にガラス製のローテーブルと、それを囲むように設置された、十人は座れそうな革張りのソファ。
奥の壁には大画面のテレビ、サイドには大きなスピーカー。そしてキッチン側には四人がけのダイニングテーブル。
それらをゆったりと配置しても、あまりある空間。いったい何十畳あるのだろう、予想もつかない。
極めつけは、一面にとられた窓の外に広がる贅沢な夜景。
黒とグレーを基調としたその部屋は、ハイセンスすぎてモデルルームみたいだ。
「驚いた?」
「……で、でも、こんな部屋、派遣の仕事のお給料じゃとても……」
「宝くじで一発当てたんだ」
「は!? う、嘘でしょう!?」
「嘘だよ。ちゃんと自分で稼いだお金だ。ねぇ、そんなことより――」
リビングのソファの上に、彼はふたり分の荷物とジャケットを放り投げた。
私の顎を強く押し上げ、先を急かすように自身の腰を押しつける。
「こ、こんな場所に住んでいるんですか?」
彼の部屋に足を踏み入れて、愕然とする。
まず、玄関がびっくりするほど広かった。
そして奥のリビングも。
部屋の中央にガラス製のローテーブルと、それを囲むように設置された、十人は座れそうな革張りのソファ。
奥の壁には大画面のテレビ、サイドには大きなスピーカー。そしてキッチン側には四人がけのダイニングテーブル。
それらをゆったりと配置しても、あまりある空間。いったい何十畳あるのだろう、予想もつかない。
極めつけは、一面にとられた窓の外に広がる贅沢な夜景。
黒とグレーを基調としたその部屋は、ハイセンスすぎてモデルルームみたいだ。
「驚いた?」
「……で、でも、こんな部屋、派遣の仕事のお給料じゃとても……」
「宝くじで一発当てたんだ」
「は!? う、嘘でしょう!?」
「嘘だよ。ちゃんと自分で稼いだお金だ。ねぇ、そんなことより――」
リビングのソファの上に、彼はふたり分の荷物とジャケットを放り投げた。
私の顎を強く押し上げ、先を急かすように自身の腰を押しつける。