お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
私の思考をかき消すように、彼の唇が首筋をすべり、耳のうしろをたどり、キスをひとつ。

かろうじて体に巻きついていたブラウスを剥ぎとられ、私の素肌に彼の逞しい筋肉が触れる。

思わず「あ……」と小さな吐息を漏らすと、「澪……」彼は初めて私の名前を呼んでくれた。

彼の特別になれたような気がして、うれしくて、自分の体を隠すことさえ忘れて彼の体にすがりつく。

彼の熱を全身で感じとって、もう私の中は言い逃れ出来ないほどに昂っていて。

そして彼も同じだったらしく、ふたつの体が密着して生まれたのは――とめどもない快感。

「柊一……さん」

その後のことは、正直よく覚えていない。

とにかく恥ずかしくて、同時に気持ちよくて、みっともないくらいに啼かされてしまった。
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