お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
第四章 彼を思い出すと
あれから三カ月が経ち、夏が過ぎ、季節はもう初秋。

もちろん、私は未だ恋人もおらず、ちゃんとお嫁に行けるかどうか、両親は日々心配を募らせている。

そんな中、見かねた父がお見合いの話を持ってきた。

「……お父さん、娘が結婚できれば、相手は誰でもいいってわけじゃないんでしょ?」

父の友人の、さらに友人の息子さんらしいのだけれど、お見合い写真からして合わないなぁという感じがひしひしと伝わってきた。

人を見た目だけでどうこう言うつもりはないのだけれど、礼儀がなっていないっていうのが私的にNGポイントだ。

着飾ってわざわざスタジオで撮影しているというのに、無精ひげとぼさぼさ頭はそのままって、どういうこと?

こだわりなのだろうか、オシャレっていうよりただだらしがないだけみたいに見えるけど……。

「そんな贅沢言ってられるか。この機会を逃したら、結婚できないかも――」

「妥協するくらいなら、独身でいいよ……」
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