お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
翌朝。オフィスフロアの一番奥にある、資材置き場と化した薄暗い通路にて。
「よい……しょ……」
またしてもオバサンくさいかけ声を漏らしながら、私はパソコンチェアの上に立ってスチールラックの最上段の段ボールに手を伸ばしていた。
三カ月前はチェアから落ちて、穂積さんに助けてもらったっけ。
――『次から、体力仕事は俺に言うこと』――
蠱惑的な笑みを思い出してしまい唇をかみしめる。
だって、もう彼はいないのだ。だいたい、これくらい誰にも頼らなくたって、私ひとりでもなんとかできるよ……!
またチェアから落ちたりしないし。さすがに同じ轍は踏まないんだから!
細心の注意を払いつつ、チェアの上で背伸びをしていると。
「うわ。危ないことしてんなぁ」
突然うしろから声をかけられ、驚きにびくりと震え上がった。その瞬間、チェアのタイヤがずるんと滑る。
「わ、わ、わーっ!」
またこのパターン!? 自分で自分に呆れながらも、地面に向けて背中から投げ出されて――。
「よい……しょ……」
またしてもオバサンくさいかけ声を漏らしながら、私はパソコンチェアの上に立ってスチールラックの最上段の段ボールに手を伸ばしていた。
三カ月前はチェアから落ちて、穂積さんに助けてもらったっけ。
――『次から、体力仕事は俺に言うこと』――
蠱惑的な笑みを思い出してしまい唇をかみしめる。
だって、もう彼はいないのだ。だいたい、これくらい誰にも頼らなくたって、私ひとりでもなんとかできるよ……!
またチェアから落ちたりしないし。さすがに同じ轍は踏まないんだから!
細心の注意を払いつつ、チェアの上で背伸びをしていると。
「うわ。危ないことしてんなぁ」
突然うしろから声をかけられ、驚きにびくりと震え上がった。その瞬間、チェアのタイヤがずるんと滑る。
「わ、わ、わーっ!」
またこのパターン!? 自分で自分に呆れながらも、地面に向けて背中から投げ出されて――。