お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「千堂柊一朗と申します。澪さんと、結婚を前提にお付き合いさせていただきたく、ご挨拶にまいりました」
ぎょっと身を強張らせる私。あわあわとする両親。
彼のうしろでご婦人が口元を押さえてふふっと笑った。
「柊一朗さんてば、気が早いわ。それではお見合いではなくて、求婚じゃありませんか。まずは『本日はよろしくお願い致します』でしょう?」
隣の紳士は、ふう、と呆れたように肩を落とし、眉間にわずかに皺を寄せる。
「急な縁談にも関わらず快く応じてくださり、ありがとうございました。なにぶん、わがままなひとり息子で、『お相手は澪さんでなければ嫌だ』と言って聞かなくて」
想像以上に乗り気をうかがわせる相手方の対応に、両親は混乱を極めた。
「と、とんでもない、こんなふつつかな娘を気に入ってくださるなんて、お心の広いご子息様で……!」
「こんなに光栄なお話はございませんわっ」
ペコペコと頭を上下させて、早くもごますりモードだ。
ぎょっと身を強張らせる私。あわあわとする両親。
彼のうしろでご婦人が口元を押さえてふふっと笑った。
「柊一朗さんてば、気が早いわ。それではお見合いではなくて、求婚じゃありませんか。まずは『本日はよろしくお願い致します』でしょう?」
隣の紳士は、ふう、と呆れたように肩を落とし、眉間にわずかに皺を寄せる。
「急な縁談にも関わらず快く応じてくださり、ありがとうございました。なにぶん、わがままなひとり息子で、『お相手は澪さんでなければ嫌だ』と言って聞かなくて」
想像以上に乗り気をうかがわせる相手方の対応に、両親は混乱を極めた。
「と、とんでもない、こんなふつつかな娘を気に入ってくださるなんて、お心の広いご子息様で……!」
「こんなに光栄なお話はございませんわっ」
ペコペコと頭を上下させて、早くもごますりモードだ。