お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「結婚を勧めてものらりくらりとかわすばかりだった息子が、この歳になってとうとう身を固める意思を見せてくれた……私としては、是非とも前向きに進めてもらいたい」
紳士――彼のお父さまの声には力が込められている。
横の夫人――おそらく彼のお母さまであろうその女性は、なだめるようにお父さまの背中を撫でた。
「あら。聞けば、すでに澪さんとは交際を始めているそうではありませんか。なんの心配もないと、わたくしは思っていますよ」
緩やかな口調でさらりととんでも発言を投げかける。
ちょっと待って、『交際』だなんて始めてない!
話を聞いた両親の顔色が、途端に変わった。
「澪、そうだったのか!? お付き合いしているなら、どうして言わないんだ!」
「こんな素敵な男性と、どこでお知り合いになったの!?」
てんやわんやの質問攻めで収集がつかない。
こんな事態になってしまって、どうしてくれるの!? と涙目で彼を睨むと、元凶の彼は私の視線を軽やかにスルーして、うちの両親に向けて愛想よく微笑んだ。
「詳しいお話は食事をしながら。ささやかながら、おもてなしを用意させていただきました」
紳士――彼のお父さまの声には力が込められている。
横の夫人――おそらく彼のお母さまであろうその女性は、なだめるようにお父さまの背中を撫でた。
「あら。聞けば、すでに澪さんとは交際を始めているそうではありませんか。なんの心配もないと、わたくしは思っていますよ」
緩やかな口調でさらりととんでも発言を投げかける。
ちょっと待って、『交際』だなんて始めてない!
話を聞いた両親の顔色が、途端に変わった。
「澪、そうだったのか!? お付き合いしているなら、どうして言わないんだ!」
「こんな素敵な男性と、どこでお知り合いになったの!?」
てんやわんやの質問攻めで収集がつかない。
こんな事態になってしまって、どうしてくれるの!? と涙目で彼を睨むと、元凶の彼は私の視線を軽やかにスルーして、うちの両親に向けて愛想よく微笑んだ。
「詳しいお話は食事をしながら。ささやかながら、おもてなしを用意させていただきました」