お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「澪との再会に見合いという形をとったのは、俺の誠意だと思ってくれ。澪と本気で向き合う覚悟があると伝えたかった。決して軽い気持ちや、一時的な感情じゃない」

私の手を持ち上げ、そっと口づけを落とす。手の甲に触れた彼の唇の感触に、かき立てられるように胸が苦しくなって。

「俺のそばにいてほしい。澪、結婚してくれ」

射貫くような鋭い眼差しに、釘づけにされた。

心がぐらぐらと揺れ始め、吸い寄せられるようにして一歩を踏み出すと、彼は私へと手を伸ばし、そっと体を包み込んだ。

「君にさよならを告げられたあと、わけがわからなくて、しばらくショックでなにも手につかなかったよ」

「……ごめんなさい。あのときは、とにかく混乱していて……」

「俺はてっきり、ベッドでの相性が合わなくて振られたのかと思った」

「そ、そんなんじゃありません!」

「よかった。俺自身が嫌われていたわけじゃなくて」

心底安堵の声を漏らして、私の首筋に顔を埋める。
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