180センチ以下は認めない
綾side
病室でベッドの端に腰かけた斎藤さんと、向かい合って話していると、斎藤さんが急に咳き込み始めた。
「ゲホゲホッ」
「斎藤さん、大丈夫?」
私が背中をさすろうと、立ち上がろうとした瞬間に
「ゴボゴボ」と、斎藤さんが嘔吐した。
大量の嘔吐物が、私の白衣にぶちまけられた。その直後、斎藤さんが苦しそうにもがきはじめた。
「大丈夫?斎藤さん!」
嘔吐物での窒息?
私はナースコールを押して
「斎藤さんが嘔吐しました。窒息かも」と、叫んだ。
私は斎藤さんの口に指を突っ込み、口の中の嘔吐物をかきだした。
バタバタ、ガラガラ。
ナースが緊急カートを押して走ってきた。
私はナースの邪魔にならないように、部屋のすみに移動した。
ナースは壁に付いている吸引機のチューブを斎藤さんの口に突っ込む。
ゴボゴボゴボゴボ
吸引されて、斎藤さんの呼吸が再開した。
バタバタバタバタ
「どーした?」
そこに宮野先生も、走ってきた。
すぐに斎藤さんの診察をし、ナースに点滴と処置の指示をだした。
点滴ルートが確保され、点滴が繋がれ、やっと処置が落ち着いた。