180センチ以下は認めない
宮野side
病棟に行くと、真っ青な顔をした加藤が、手に持っていたペンを机に落とし、崩れるように倒れる瞬間だった。
「加藤!」
俺の伸ばした手が、加藤を支える。倒れなくてよかった。
気づいた看護師が「加藤先生。大丈夫ですか?」と、集まって来た。
「ストレッチャー。部屋あいてるか?」と、俺がさけぶと
「観察室あいてます。ストレッチャー持ってきます。」と、走り出したが、
「いやいい。観察室なら、このまま運ぶ」
加藤を抱きかかえ、ナーススーションの隣の観察室に運んだ。
「い・いきが・・・で・き・・・・・・・な・・・・・・・・・・い」
加藤が苦しそうに声を出す。
えっ?息ができない?
パニック発作?なんだ?窒息はないだろうし・・・
走って来た看護師に
「とりあえず、安定剤1筒持ってきて。」と、指示を出す。
安定剤を注射された加藤は、そのまま眠りについた。
「最近、加藤先生おかしかったんですよね。頭が痛そうだったり、薬をけっこう飲んでたみたいだし。調子悪そうだった。」と、看護師が話だした。
「綾ちゃん大丈夫なのか?」と、山形も観察室に入って来た。
「息ができないって倒れたんだ。最近全然会ってなかったんだけど、調子悪そうだったって、看護師たちが言ってた」
「確かに、最近青い顔してた気がするわ。ちょっと、痩せたみたいだったし」
「調子悪そうなら、声かけてやればよかったじゃないか。」
「いや、俺が綾ちゃんに声かけるのはおかしいだろ。お前がかけてやれよ。気になってんだろ。」
「んぐ・・・」何も言えなくなった・・・