180センチ以下は認めない
「おはようございます。昨日お休みすみませんでした」
私は、薬局に出勤した。
「大丈夫なのか?宮野先生の慌てぶりが、びっくりだったけど、お前と宮野先生どうなってんだ?」
川瀬先生が聞いてくる。
「いや・・・どうもないです・・・病棟行ってきます!」
恥ずかしくなり、なんて答えていいかもわからないし、病棟に逃げることにした。
「おはようございます。一昨日はお騒がせしてすみません。」
ナースステーションに入ると、看護師長を見つけて、声をかけた。
「いいえ、もう、大丈夫なの?あら、顔色はいいわね。誰かさんのおかげかな?」
看護師長が、ちょっとニヤニヤして私を見ている。
「いや・・・」
そこに、山形先生と翔いや宮野先生がやって来た。
「山形先生、宮野先生、おはようございます。一昨日はお騒がせしてすみませんでした。」
「顔色いいね。元気な綾ちゃん復活かな?」
「はい、元気になりました。」
山形先生と普通に挨拶できてるかな。なんか、心もいたくないし、平気かも。
「あ、おはよう」と、宮野先生は、すっと目をそらした。
「なに、緊張してんだよ。中学生かよ。」
山形先生に突っ込まれている宮野先生。
そこに、看護師さんたちが出勤してきた。
「あ、加藤先生、もう大丈夫なんですか?加藤先生倒れちゃったから覚えてないと思うんですけど、あの時、宮野先生かっこよかったんですよ~」
「え?」
「おい、仕事しろよ。いらないこと話さなくていいんだよ!」
宮野先生が看護師さんたちの話をさえぎる。
「え~どんな感じにかっこよかったの~?俺、聞きたいな~」
と、山形先生。
「ほんと、かっこよかったんですよ~。倒れた加藤先生をお姫様抱っこして、観察室に連れてったんですよ。それが、ほんと王子さまみたいで、かっこよかったんですよ!」
え?お姫様抱っこ?私を?宮野先生が?
「私を、お姫様抱っこ?いや~無理でしょ。こんな、でかい女、重たいし、できると思えないけど。」
「ね~宮野先生。もう一回やってあげたら?」
「やって見せてくれよ。宮野」ニヤニヤの山形先生。
「俺、回診行く。加藤。ちゃんと仕事しろよ。昨日の分もな!」と、照れた顔した宮野先生はナースステーションから逃げて行った。
「患者さんのところにいってきま~す」
私も恥ずかしくなって、ナースステーションから、逃げ出した。