迷惑なんて思ってないよ
もう少し俺に勇気があればもっと守れた物もあったのかもしれない。俺がもう少し積極的に動いていれば恋人になれていたのかもしれない。
分かっているんだ。俺には後一歩が足りないんだって。物事が良い方向に行くと悪い事が起こりそうで完走目前でも引き返してしまうような、囮として全く関係のない誰かを先に行かせるような卑怯な奴なんだって。救いなのは大丈夫だったからと言って文句を言わない事くらいだって。

「機会を逃しているってか?」

「嫌われて話せなくなるよりはマシだ」

「結華ちゃん。ちゃんと言わないと凛の気持ちに気付かないと思うぜ?」

分かってる。薄々でも感付いてくれていたなら、友達を続けてなんていられないさ。
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