迷惑なんて思ってないよ
六章・忙しい放課後

初めて知った

今、私たちは四人で逃げていた。屋上へ行けば良かったんだけど、生憎屋上への道は生徒に閉ざされていて。中庭の植木に隠れたり、死角になる所に身を隠したりして校門の外に出る機会を伺っていた。

「本当にごめん、柏崎さん。晴人くん」

「いやぁ、まさかここまで反応があるとはねぇ」

「慶も少しは謝れ!」

「すまん」

ほぼ全校生徒と言って良いほどの人数の生徒が私たちを探していた。原因を作ったのは慶太郎くんの何気ない一言、凛太郎くんの恋の話だった。まだ告白しないのかと慶太郎くんが凛太郎くんに訊いた事から始まった。
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