迷惑なんて思ってないよ
ホッと肩を撫で下ろした。迷子になって会えないまま、家になんて帰れなかったから。

「ありがとうございます。・・・凛太郎くん、少しお時間宜しいですか?」

「えっ!どこか痛い所でもあった!?頭ぶつけた!?足を捻ったとか!?」

「違います!両親を見つけてくれた日の事、ちゃんと謝れていませんでしたので・・・」

ずっと引っ掛かっていた。両親が息絶えたかもしれない場所が見つかって、汚れてしまうのに瓦礫を退かしてくれて。夢遊病のように外へ出た私を連れ戻してくれて、自分も溺れてしまうくらいの高さまで海水に浸かっていたにも関わらず助け出してくれて。
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