迷惑なんて思ってないよ
そう。車中泊をさせただけでなく、家に帰るまで海に浸かった体を洗い流す事も出来なくて。そして何より、怖いと言っていた海に入らせてしまった事実はもう変える事が出来なくて。

「良いんだ。俺は柏崎さんに迷惑を掛けられる事が嬉しいから」

「でも・・・」

「柏崎さんはさ、俺の事を迷惑だって思った事ある?」

私は思いっきり頭を横に振った。ただでさえ面倒な性格なのに、周りとは少し違う過去を持っているのに。面倒な私と仲良くしてくれるのなんて凛太郎くんや親族、津田さんたちくらいなのに。そんな人たちを迷惑なんて思ったら罰が当たる。
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