迷惑なんて思ってないよ
私が高校を卒業したからかな。店の仕事に追われているからかな。一緒にいる時間が少なくなったから仕方ないのかもしれない。でも、私もいつまでも一緒にいれる訳じゃないしさすがに自立させないと。

「一応仕事中なんだけど?」

「今日は津田さんたちの貸し切りでしょ」

「それでも仕事は仕事よ?」

離れるどころか腕の力が強くなった。やっぱり、まだ早かったのかな。いや、距離を置く時期が遅かったのかもしれない。もう少し早く、中学校や高校の入学を境に別の部屋を用意してもらっていれば今みたいに抱き着きまではしなかったのかもしれない。
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