迷惑なんて思ってないよ
時期を逃した私の判断がいけなかったんだ。ぐれてしまう事を怖がらずに無理にでも突き放しておくべきだったのかな。

「姉ちゃんは俺の事、嫌い?」

「嫌いじゃないけど、もうそろそろ自立してくれないと心配かな。高校卒業したら社会に出ていくし、結婚して奥さんを大切にして子供も愛して。・・・晴人もいつかは自分の家族を持つ日が来るんだから、優しくて格好良い人になってもらわないと私がお嫁に行けないでしょう?」

「じゃあ姉ちゃんが奥さんになってよ。俺と結婚して、俺の子供を産んでよ」

何を言い出すのかと寒気がした。どんどん強くなっていく晴人の力を初めて怖いと思ってしまった。
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