迷惑なんて思ってないよ
受け入れてくれているような、いつもの優しい笑顔で俺はまた癒されていた。彼女が笑ってくれるのなら、格好悪い俺でも良いのかなって。自分の事を好きになれた気がした。
晴人くんの問い掛けに良いんだと答えた事により、俺と柏崎さんは恋人になれた。なれたのは良いんだけど、たぶん、きっと下の名前では呼べない気がする。いつまで経っても俺は柏崎さんのまま、柏崎さんは凛太郎くんのまま。呼び方が変わらない気がしてならないんだ。

「良いね、良いねー!次は俺たちの番だな!」

「いや、俺は姉ちゃんがいれば良いんで」

慶太郎の提案を否定する晴人くんだったけれど、まさか本当に柏崎さんを狙っているだなんて事無いよな。本当に恋してるなんて事、さすがにあり得ないか。
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