迷惑なんて思ってないよ
どうしたら昨日の笑顔が見られるのか、必死に考えを巡らせた。でも、出てくるのはあの男の顔だけで他は何も思い浮かばなかった。

「たぶん・・・、私はそれ以上に酷い事を思った事があると思う・・・」

「俺だって!その・・・、柏崎さん困らせて楽しんでたし・・・。それにっ」

「優しい凛太郎くんには分からないよ!だって私・・・!私、は・・・っ!母が亡くなって・・・聞、て・・・、ホッと・・・して・・・っ!」

だからいつも笑っているのに笑っていなかったんだ。いつも同じ、笑っているのに心がない笑顔をしていたのは母親への罪悪感?それとも謝罪の気持ち?
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